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哀れ大腸菌の運命

2009-05-28 23:17


廃液入れ。
培養細胞の培地や、実験で使った大腸菌の残りカスはこの廃液瓶に捨てます。



昨日、大腸菌を培養しました。
でっかいフラスコに入れて、わっしわっしと一晩揺するのですが、欲しい遺伝子を「入れた」大腸菌をいきなりでっかいフラスコにいれてしまうと、うまく増えないことがあるらしい。
というわけで、最初に試験管でちょっとだけ培養して増やしてから、それをフラスコに入れて培養する、というのがいつもの流れでございます。


ところで、試験管の中には5ミリリットルの『大腸菌がたくさん入った培地』が入っていました。
指導教官曰く、「(試験管の中の)大腸菌液、1ミリだけフラスコに入れたらいいよ。フラスコに入れすぎてもよくないし」
というわけで、1ミリリットルはフラスコに入れて本培養、残り4ミリリットルは…そうです。イラナイので廃棄です。
とりあえず、廃棄方法を確認する私。

鴫野「じゃあ、残った4ミリは…」
教官「ハイターで殺してね」(ハイター…巷に溢れるあの漂白剤です)
鴫野「あ、ハイターにしますか。廃液瓶に捨てようかと思ったんですが」
教官「そうだね、廃液瓶は後でオートクレーブ(高温滅菌)かけるから、じゃあ廃液瓶に捨てて」


という流れで、廃液入れに捨てることになりました。
今すぐハイターで殺菌されるわけではなく、オートクレーブをかけられるまでしばしの猶予の与えられた大腸菌たちに、鴫野は語りかけてやりました。

「まあ、瓶にオートクレーブがかけられるまでの間、その収容所ん中でせいぜい生きるんだよ」


すると、教官はきちんとそれを聞いていまして、
「まあ、その瓶の中にはストレプトマイシンなんかの抗生物質入りの培地も入ってるから、そう長くは生きられないだろうけどねwww」


そうか。
そういや、鴫野が可愛がっている副腎の細胞・PC12の培地にも抗生物質は入れていたっけ。
金魚の水槽の水を変えるのと同じで、細胞の培地もちゃんと交換しなければいけません。
つまり、抗生物質がたんまり入った培地を、この廃液瓶にドバドバ捨てているわけで…

鴫野「じゃあ瓶に入った瞬間に大腸菌たちはサヨウナラですね」
教官「いや、でもその瓶の中には栄養満点のおいしい培地も入ってるからねえ…」
鴫野「…ということは、死ぬ前に美味しいモンを腹いっぱい食べてからサヨウナラ、ですか」
教官「ま、どっちにせよ居心地はよくないだろうけどwww」


とりあえず、廃液入れに捨てられた大腸菌たちはそう長くは生きられないわけですね教官。
でも、でっかいフラスコに入った運のいい大腸菌たちも、1晩培養された後は、DNAを取るためにぐずぐずに溶かされてしまうという無残な目にあうわけですよ。
いずれにせよ、待っている運命に変わりはない、と。

そして今日、1晩美味しい培地の中で増殖していた大腸菌たちは、見事なDNAを残して旅立っていきました。ありがとう。さようなら。



廃液瓶送りになったものと、フラスコ送りになったもの、そのどちらかが天国でどちらかが地獄、というわけではなく――
『どちらも地獄というわけか』(By財前五郎@白い巨塔平成版)




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時既に遅し

2009-05-25 22:58

今日はやってしまいました…やってしまいましたよ orz
大失敗です。


今日は午前がセミナーだったので、午後から実験をしました。
今、プラスミドの調整をしておりましてですね、大腸菌からプラスミドを取り出して、濃度を測定して、今日は制限酵素で切って電気泳動をしました。
まあ、今日やったコトってのは『調整したプラスミドに、目的の遺伝子が入っているかを確認する』という作業なのです。

さて。
電気泳動をする前に、「多分電気泳動もうまくいくだろうし、これは使わないだろう」と思ったところで、大腸菌のプレートを捨ててしまったのです。


ええ、確かに電気泳動はすごくうまくいきました。
しかし、指導教官に言わせてみれば、DNAの濃度が非常に薄いので、もういちど大腸菌から取り直したほうがいいとのこと。


私「…大腸菌、さっき捨てました。」
教官「じゃあ、もう一度トランスフォーメーションからやり直しだね」



オワタ。




というか、大腸菌のプレートを捨てたのが、ついさっきっていうのがね…。
ちょうど「菌の生えたプレートをまとめて処分するよー」と言われて、さっさと出しちゃったのですよ。
1時間後にそんな悲劇が起こるとは考えもせず!


というか、教官に最初に濃度を伝えておけば、薄いってのが分かったんですが。
きょ、教官の手を煩わせたくなかったんだ…!でもそれが仇になりましたね。ぎゃふん。


そんなわけで、明日からまた大腸菌に遺伝子導入して、育てて、プラスミド精製し直します。
とりあえず、今日の制限酵素処理と電気泳動は丸々無駄に終わりました。

教官曰く。
『まあ、経験値は上がったじゃない』


ですが先生、レベルは上がっておりませんよ。



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菌は強し?

2009-05-14 21:40

今日は調整してたプラスミドを大腸菌にぶちこんで、プレートに撒いてきました。
明日、コロニーができたら成功です。



ところで大腸菌の話といえば。
先日、大腸菌ですごい失敗をしたのですよ。


大腸菌をプレートにまく時の実験台の上はこんな感じです。↓

09051401.gif

まあ、マイクロチューブに入ってる大腸菌を寒天プレートに入れて、ガラス棒を曲げたやつ(ごめんなさい名前忘れました)でぐりぐりっと塗り拡げるわけですけど。
このガラス棒、消毒のためにアルコールの中に浸けてあります。
使うときは、一旦バーナーの火であぶって殺菌してから使います。
そうやって目的の大腸菌以外の、カビとか、雑多な菌が営養満点な高級・寒天プレートの上に住みついてしまうことを防ぎます。

ですが。
これが仇となった。


アルコールの中に使っているガラス棒をバーナーであぶる時に、まあよくある話ですが、アルコールをよく切らなかったのですね。
当然、ガラス棒から滴るアルコール…運の悪いことに、それは塗り広げられる前の大腸菌がうようよしている寒天プレートの上にぽとりと落ちました。

ちょ、殺菌wwwww
アルコールっていったら消毒液だもんね。殺菌するんだよね。そんなもんを大事な大腸菌にぶっかけてしまった!早くアルコールを薄めないと!
動揺した私はガラス棒を火であぶり(←これは忘れなかった)、そのまま熱したガラス棒を大腸菌の上にぐっと押し当ててしまったのです。

「ジュー」という嫌な音が…
熱でさらなる殺菌をしてしまったというわけです。

ちなみに、熱したガラス棒は、寒天プレートの上で、大腸菌のいなさそうなところに押し当てて一旦冷ましてから、塗り拡げるのに使います。
それを冷まさずに使ったら、そりゃ菌だって熱で死ぬだろうよ。

でも…せめて1匹くらい、熱にもアルコールにも負けずに生き残ってくれないか。
とりあえず、翌日コロニーができるまでは気が気じゃありませんでした。
でも実際は、コロニーがわんさか山のようにできたわけで…逆に「あれ、少々のアルコールじゃ死なないのか?」と思ってしまったのであります。


とりあえず、大腸菌はタフですね。ほんと。




でも…今日の実験では問題なく撒けたのですが、それでも明日コロニーが出来てるかどうか、気にかかる今日この頃だったりします。






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続PCR

2009-05-12 00:12

よ、漸くDNAが増えました!!
…酵素を変えるとこうもあっけなく増えるものなのか?っていうくらい綺麗に沢山増えました。

ですが…
サンプルが4本あって、増えなかったのが1つ、増えたけど汚かったのが1つ、綺麗に増えたのが2つだったんですよ。で、増えなかったやつは今回で増えたんですが…汚いやつも一緒に増やしちまえ!と思って一緒にPCRかけたら、ほとんど増えてくれませんでした。

ほんとPCRは何が悪いのかよく分かりません。温度を2度変えるだけで増えたり増えなかったりするしなあ…。たまに、機械を変えると増えたりするし。謎です。


これから、増やしたDNAをエタノールで抽出します。。
先は長いなあ。

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PCR

2009-05-09 00:01

いま、とある遺伝子に変異を入れて、それを細胞に入れたらどうなるか、という実験をしようとしています。

で、まずはPCR(←新型インフルエンザの検査もPCRを使っていますね)という操作でDNAを増やしたいのですが。
増えません。
何が悪いのか分かりませんが、とにかく増えません。
かれこれ5、6回挑戦したぞ。でも増えてくれません。なんか、一昨日から今日までの3日間でPCRと電気泳動(←PCRでDNAが増えたかチェックする)しかやってない気がします。というか、それしかやっていません。

そろそろ煮詰まりつつある私に、指導教官が一言。

「PCRの歌って知ってる?」

…そんなもんがあるのか?
すると教官、「youtubeで検索したら出てくるよ。めちゃくちゃ出来がいいよ」と言うではありませんか。
早速検索した私。


それが、この歌↓


確かに、すごく出来がいいww
英語のリスニングは苦手なので、歌詞を検索して見たのですが…これは見事ツボにはまりました。


実際はうまくいかないPCRですが、ちょっと歌のおかげでヤル気がでてきました。
…というわけで、来週もやります。

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サカグチフラスコ

2009-04-14 17:32


サカグチって人の名前か?
…ということを聞けず、とりあえずサカグチフラスコという(らしい)フラスコに培地を入れて、オートクレーブ(滅菌処理)をします。


シャーレに生やした大腸菌を、一旦小さい試験管に入れて8時間培養し、それからでっかいフラスコに入れて培養するわけですが。
『なんで最初からでっかいフラスコでやらないんですか?』と教官に訊いた鴫野です。
教官曰く。

「培地って、連中にとったら餌でありトイレであるわけだから、あんまり同じ培地で培養してると、数は増えて栄養はなくなってくるし、老廃物もたまってよろしくないから」

だそうです。そういや大腸菌だってメシ食って排泄してるんだもんなあ。生き物だから。


そんなわけで、今日は大腸菌のお引越しだけで1日が終わりました。
そんなに手間のかかる作業でもないんですが…まあアレです。培養中の8時間は、ずーっとフリータイムです。8時間なんて待たずにさっさと引越し終わらせて帰りたい…というのは、この際言わないことにしましょう。


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バイオ残酷物語

2009-04-12 23:18


遠心分離中。
ひたすらチューブをぐるぐる廻します。遠心力で、DNAを沈殿させます。

先日の電気泳動でプラスミドができているかを確認したんですが、幾つかあるうちの綺麗なサンプルをDNAシーケンサーにかけることにしました。
そんなわけで、前処理を行った後でDNAをエタノール沈殿です。


さて。大腸菌を増やして殺すなんて残酷!と言っていたうちの母親がこんな話をしていたので載せてみます。


あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

そして、おじいさんの手元には、1つの種籾がありました。

おじいさんは種籾を植えました。

毎日毎日世話をして、やがてそれは1本の稲になりました。

秋になり、稲は穂をつけました。

おじいさんとおばあさんは、そこからとれた籾を、次の年に植えました。

また次の年も、次の年も、籾を植えました。

やがて、おじいさんとおばあさんの家の前には立派な水田ができました。

そしてその水田は、おじいさんとおばあさんの息子や孫たちが世話をするようになりました。

おじいさんとおばあさんが亡くなっても、その子孫達が代々水田を守っていきました。



ある日、お殿様がそこをとおりがかりました。

お殿様はいいました。

「その水田、どうやって作ったのだ」

おじいさんとおばあさんの子孫は答えました。

「はい、ご先祖さまが植えた1つの種籾から、こうやって大きな水田が出来たのです」

お殿様が言いました。

「その1つぶの種籾を落としたのは、私の家来である。つまり、その種籾の所有者は私たちである。さあ、水田を渡しなさい」

子孫達はいやだと言いました。

この田んぼは、我らがご先祖様が汗水たらして作ったものです。

籾を落としたことより、その籾を育てることの方が大事なのです。

決して、水田は渡さないといいました。

お殿様は言いました。

「ならばお前たちを一刀両断にしてくれるわ」




こうして、お殿様は沢山のお米を手に入れました。


<おわり>


母曰く

おじいさん一家=大腸菌
籾=プラスミド
お殿様=人間

だそうです。


・・・・なんかこの話を聞いたときは、自分たちがすげー残酷なことをしているような気がしてきた鴫野です。
というか、この発想はなかった!さすが文系と思いました。


シーケンスの結果が出るのは水曜日だそうです。
うーん、長いな。。。


 

あ。
病院で、この眠気がなんで起こってるんですか!とドクターを問い詰めたら、ついに『多分、鬱による過眠の症状でしょう』と言ってくれました。これで悩みの3割は解決された。
だって…理由のない眠気ほど辛いものはないんだよ。
なにが辛いって、周囲の目が辛い。『また寝てるわ~あの人』なんてひそひそ声が耳に入ってくるんですよ。バカにしてるっていうか、呆れてるっていうか。それでもって『もうちょっと頑張りなさい』とか言われても、どう頑張ればいいのさ!とか言いたくなるんです。

これは甘えでしょうか?
でも、世間は不眠症については同情的ですが、過眠症に対してはそもそも認識が低いような気がします。


 

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DNA抽出

2009-04-10 00:32


DNAを電気泳動中。
容器の中に、水色のラインと青いラインが2つ見えると思いますが、それがサンプルです。


前回の記事で『大腸菌が生えた!』という話をしたわけですが、その大腸菌をLB培地(大腸菌も大好き★栄養満点の培地)で育てて増やして、今日は連中からプラスミドを抽出しました。
菌が腹の中に持ってるDNAをむりやり取り出すわけですから、まあ菌は無残にもぐちょぐちょに変性させられちゃうわけですけれど。
そういう話を母親にしたら、『残酷な…』と言われました。人間の勝手でDNAを組み替えられて潰される、でも大腸菌はただの一つの細胞だから、感情も何もないと思う鴫野です。
生き物が痛みを感じるようになるのはどこからでしょうか。無脊椎動物って、痛みを感じてるのかしら。なんて思うとちょっと深い生物学です。




さて。

これも前回にお話したことの続きですが。
私がミーティングでも論文読みでも、常に居眠りしているので、院生やら教官にはすっかり呆れられているわけですが。
今日、教授に『夜寝てるの?』と訊かれました。寝てます・・・・・・・多分。
そしたら、『もしかして、薬か何か飲んでる?』と言われました。

『夜も寝てる』って言ったら、『じゃあ眠りが足りないんだろう。もっと早く寝ろ』とはよく言われるんですが・・・・薬のことを言われたのは初めてだったよ。

で、飲んでますと言ったら、教授が『じゃあ多分それだよ。うちの息子も薬飲んでてさぁ・・・』と。
案の定『どんな薬?』と言われたので『安定剤です』と言ったら『絶対ソレだよ!』と言われました。

ご家族にそういう方がいらして、教授がメンタルな話に対して理解があるのはすごくありがたいんですが・・・ちょっと罪悪感を感じるというか・・・朝に飲んでいる安定剤リーゼの作用ってそこまで強くないので、薬のせいにしてしまっていいものか・・・と悩む今日この頃です。
でも理由が不明。医者に聞いたら「過眠の症状が出てるのかなあ…でも疲れてるときはじっくり休みなさい」と言われたし。

そして教授には『でもいつまでも薬に頼っててもいけない・・・ってわけじゃないけど、あんまりよくないから脱却しよう!協力するから』と言っていただいたのですが、そのときふっと「怖い…」と思ってしまいました。

どうしても気分が辛くなったら(医者は朝晩で処方しているので、勝手な自己判断で)頓服して凌ぐのですが、薬なくなったらどうやって耐えればいいんだ…と。
薬そのものに依存性はあまりないらしいんですが、それより私の気持ちが薬の存在に安心させられてるっていうか。ないと困る。そんな感じ。


研究室配属されて環境が変わって、余計に不安定になってるのかもしれない。
でもまあ、「眠気も気力が足りないからだ!がんばれ!」とか言われる辛さを考えたら、今はすごく環境がいいのかもしれないです。
ふと、“あせらず、じっくり”のフレーズを思い出しました。

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鴫野
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白い巨塔の財前先生を追いかけ続ける学生。田宮二郎様ラヴ。そんなわけで、割と古い映画が好きです。時々落書きしています。カテキョのアルバイトをしています。

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