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山本文緒『プラナリア』

2013-02-01 13:39

山本文緒の『プラナリア』という本を読んでいます。
短編集なのですが、表題の『プラナリア』という小説を読みながら、ああ、わかるわかる…と思いました。

この本を買った当時、私は大学院に通っていまして。
買ってみようと思ったのは、センター試験対策の問題集で、『プラナリア』という話を見たからなんですね。現代文の文章だったのですよ。
大学院からの帰り、立ち寄った中古書店で見つけて買ったのですが、そのときに読んだ感想は「いらいらする主人公だなあ」という感じでした。

主人公は乳がんの手術後、がんは治ったのだけれど仕事はせずに、飲み会で周囲が盛り上がってきたら「私乳がんなの」と言って場をドン引きさせるような人なのです。
ある人が「無職なら私の店でバイトをしないか」と誘ってくれても、仕事中に携帯をいじったり、パートのおばちゃんと仲良くできなかったり。それで最後は「私乳がんだから」と切り札を出すのです。
誘ってくれた店長さんが、乳がんだということを知って気を使うと、なんだかそれがすごく煩わしくなって、無断欠勤した挙句に「私辞めます」と電話で言う、という話でした。

…ざっくりしたあらすじを書くと、鴫野はこの話が嫌いなのかと思われんばかりの書き方になってしまうのですが。
うん、昔は好きではなかった。

でも大学院を休学して、2年というタイムリミットの中で学士編入試験に臨んで、もうすぐ休学の期限も切れるし、親には進路をどうするんだと迫られて、結局お前は就職したくないだけなんだろう的なことを言われて、焦ったり、バイトうまくいかなかったり、そういうもだもだした感じを経験してからこの話を読むとですね…

「ああ、わかるわかる…」

ってなるんですよね。

今でこそ症状は安定してますが、鬱がひどいときは自暴自棄にもなりましたし。
先日の市役所じゃありませんが、バイトでクビを切られたり、面接しても合格しなかったりしたら「どうせ私はビョーキ持ちなんだから幸せにはなれないよね」とか思ったり。

ぶらぶらしたくてぶらぶらしてるわけじゃなくて、本人なりにいろいろ考えて、でも前に進めないもどかしさ、というのに、すごく共感できる話でした。
休学してから自分の感じ方が変わったんですね。
それだけ鴫野という人間の奥行きも増した…らいいな。

学士編入が人生の正解だとはまったく思っていませんし、自分のステイタスだとも思っていません。ましてや他人にこんな茨の道を進める気にはなりません。
でも、試験を受けたり、進路で迷ったりしたことは、まあ、いい人生経験になったんじゃないかしら。

なんてことを、小説に対する感じ方が変わったところから、思う鴫野でありました。


下の記事に拍手ぱちぱちありがとうございます!
以下、拍手お返事です。

1/31分
 

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山崎豊子 全小説を読み解く

2009-10-27 22:46



沈まぬ太陽の映画も封切られましたね。こんばんは、鴫野です。

某様に教えていただいて、早速購入してしまいました。
私は山崎作品好きに加え、田宮二郎さんが好き(というか尊敬してるし永遠の憧れの存在かつ私の進路にも大きな影響を及ぼされている)なので、いやもうこれは買うしかないだろう!と思ってとびついたわけですよ。
まだ読んでる途中ですが。

…いや、もうエロいね(え?)
財前先生エロすぎますが、『女の勲章』の銀四郎さんもキザでかっこいいですし、華麗なる一族の美馬さんも素敵。

…そうじゃなかった。

山崎作品の、巨塔・不毛地帯・華麗なる一族については山本薩夫監督が映画化してるんですけど、ヤマサツ監督と山崎作品のベクトルが同じだったとか、読んでて「ナルホドー」と思いました。社会派ばんざい。
まあ、ぶっちゃけていえばこの雑誌は山崎さん含め山崎作品に対して超肯定的です。って言ったら「否定的なのが読みたいのか!」って言われちゃうかもしれないんですが。いや、私も山崎作品大好きだからいいんですよ。でもちょっと美化しすぎかなー…と思ったりします。ヤマサツ監督については見開き1ページで記事作ってますが、不毛地帯の映画化で山崎さんにクレームつけられまくったとか、そういう話は一切ないです。。

…なくてもいい話ですけどね、ハイ。

いや、それにしても平成版白い巨塔のカラサワ財前がなんであんなに『いい人』そうなのか……今やっとわかりました…(←仁科純一@白い荒野風に。分かる人はものすごーく少ないんじゃないだろうか)
そりゃ昭和版みたいな医局員を見下してるような助教授が医局にいたら、今の若手医師は逃げていきますものね!『(唐沢財前の)目元には安らいだ友愛心すら閃く』ってナイスな表現!今まで「なんで唐沢さんはあんなにいい人そうなのに財前なんだw」って思ってたんですが、そうか、そういう時代なんですね…うーむ。奥が深い。

でも白い巨塔の話をすると、どうしても昭和版最終回放送前の例の事件(事故?)に触れざるをえなくなって、そこから晩年の田宮さんのお話も出てくるわけですが(ちなみにありふれたエピソードなので、全部知ってはいました)

それ読んで、改めて双極性障害の研究がしたい!って思いました。なんという単純なファン心理。
自分は単極性のウツなので、「なんでこんな不安とか出てくるんだよ」って思うと、単極性の研究したいなーとか思っちゃうわけですが、こういう記事読むと双極性についても知りたくなるものですね。

…となると、一刻も早く自分の第2エピソードからも脱却して研究室に受け入れをお願いしたいわけですが。
あと半年。なんとかなるだろうか。


余談ですが、この本のラストにくっついてる「あなたは山崎作品のどのキャラタイプ?」チャートでは、財前センセになりました。…嬉しい
山崎作品で一番共感できるひとだものなあ、財前センセは。。



Σはっ!
…私、田宮さんのことばかり語ってないか?
まったくレビューにはなってないぞこの記事。まあ、書いてるのはレビューじゃなくて独り言だからいいんだけどさ。

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不毛地帯放送前祭 その6

2009-06-06 00:48


さすがの壱岐さんもついにキレる。


狭心症の里井副社長のことを思ってイロイロとフォローにまわる壱岐さんですが、里井さんにしてみれば「壱岐に借りを作るなんてとんでもない!」ということで、むしろ壱岐が自分を追い落とそうとしているとすら思い込んでしまう。一種の被害妄想のような気もする。
で、壱岐が世話を焼くたびに「ボクをそんなに病人にしたいのかねぇ」なんて嫌味を言うものだから、最後には壱岐も突き放したように「ご随意に」と言ってしまう。

まあねえ…嫌いな人間に世話を焼かれるのは屈辱ですから、まあ里井さんは人間味があるっちゃありますが…それでも、ちょっと露骨過ぎますね。
もう、このあたり(3巻の3分の1くらいのところ)の壱岐VS里井は、はっきり言って子供の喧嘩っぽい、というか、里井君が子供っぽいです(ア、言っちゃった)

黙ってたらダンディなんだから黙っとけよ、と思うんですが、そんな余裕はないのでしょうね。



ところで。
ついに里井君に愛想を尽かした壱岐さんですが…「冷めた目つきで突き放すように言った」とありますが、どうしても私の脳内では仲代達矢氏が表情を変えずにさらっと言ってのけるのですよ。恐るべし、映画のキャスティング。完全に刷り込まれてますね。
仲代氏といえば金環蝕という映画(不毛地帯と同じヤマサツ監督)で、何を考えてるか分からないようなボーっとした表情で、政界のドロドロの中を見事に乗り切っていく割かし冷酷な官房長官役が思い浮かぶのですが、壱岐はそれに通じるような気がします。
というか、ああいう無表情な役やらせたらピカイチだと思うよ!
多分、私が壱岐に対して感じる残酷さは、仲代さんだからこそだと思う。


…なんて、仲代・壱岐を褒めちぎってますが…フジのドラマで唐沢さんは、この壱岐をどう表現してくれるのでしょう。楽しみです。むしろ、仲代・壱岐とは全く違った壱岐を作って欲しいなあと思ってます。


ところで、鮫島さんは誰なんですか。
そろそろ白状してくれよ、フジ。気になりすぎて実験が手につかないじゃあないか。


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不毛地帯放送前祭 その5

2009-05-29 22:58


第2巻終わりのほう。里井さんと壱岐の確執inオーストラリアミッション歓迎パーティ。
ますます険悪になる壱岐と里井。

このへんは映画では描かれていませんが、映画キャストで脳内再生してます。

壱岐の異例の出世に妬く里井副社長の気持ちも分かるんだけど、それにしてもちょっと子供っぽいですねー。パーティーの席で大声で壱岐のことなじるのはね…。大門社長にあとで「大声出した里井君がアホや!」と言われてますが、まさにその通りです。

…まあ、壱岐は無表情で何を考えてるか分からないくせに、やることは結構えげつないし相手を出し抜くのが得意中の得意で、しかも大門社長のお気に入りっ子ですから、そういう「読めない」ところが里井さんにしてはイラッとくるのでしょう。いつ自分が追い抜かれるかと冷や冷やしっぱなしだから、余計に。

その点鮫っちは、アクションがいちいち大きいので壱岐に出し抜かれることは多くても、上にはあまり嫌われなさそう。バリバリ仕事するから、結果出したらみんな納得してくれるというか。

壱岐はね…仕事してなさそうなのに結果出してくるから嫌われるんだよ。多分。でもその分部下には慕われてますね。なぜか。
というか、ニューヨークの塙君がなんで壱岐に心酔しちゃったのかが少々不思議な今日この頃です。うーん…バリバリ仕事しようとしないところが気に入ったのかなあ。ちょっとひねくれたところがあるから。


まあ、鮫っちは上には好かれても、部下にしてみたら「ついていけない」って思ってる人は多そうですね。人使いも荒そうだし。



 

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不毛地帯放送前祭 その4

2009-05-27 01:29



原作、FX商戦編を読み終わりました。。

…うーん。
壱岐がヒドい人ですね。相変わらず。
小出君に対する扱いがね…。うーん。ああいう上司の下では働きたくないですね。
血も涙もないというか。まあ、それが壱岐さんクゥオリティなのでいいですけども。

小出君を心配してマンションに来る振りをして、実は防衛庁の芦田さんの痕跡を消したかどうか確認するところ。表情が一気に冷たくなるんですね。まあ、もともと冷たい人なので今更驚くわけじゃありませんが、それを悟った瞬間の小出君を想像すると哀れです。


ところで川又さんはロマンチストですねー。考え方がいちいち潔癖というか。でもやってることはあんまり潔癖じゃないという…。ラッキードを次期戦闘機として決定したいから、芦田さんの不正も見逃してる時点でお前も同罪だろ、とか思うんですが、その後で壱岐の家に来て、わざわざ自分のロマンを語って、絶対取り調べなんか受けたくないんだ!とか言うのね。矛盾してないか?
…壱岐の家に来た、その部分だけ読むと川又さんは立派だなー、そんな人がよく目的のためには手段を選ばないブラック商社マン壱岐と縁を切らないんだなー、とか思うんですが、全体を眺めなおすと別に不思議はなかったです。似たもの同士。

壱岐は鮫っちを「目的のためには手段を選ばない要注意なやつ」、みたいな目で見てますが、それはあんたも同じだろ、と思うわけですよ。鮫っちのほうが若干わかりやすいだけで、むしろ水面下で画策する壱岐の方が怖い。



初めて不毛地帯読んだときは『壱岐=いつも正しい人』みたいに思っちゃったんですが、3回目くらいに読むとそうじゃないことが見えてきてなかなか面白いですね。
白い巨塔は読んだ瞬間から『財前君=悪ってわけじゃない!』って思いましたが。

山崎小説は常に対照的な2人が出てきますが、だから善と悪に分かれてるのかって言われたらそうじゃなくて、そういうところがなかなか深みがあって好きです。



あれ、原作でFX戦終わったのに映画は全然進んでない…。あわわ。まあ、電車の中で読めるかどうかの違いではありますが。

 

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不毛地帯放送前祭 その3

2009-05-26 00:41

相変わらずの独断と偏見にまみれた不毛地帯祭りは続きます。


お茶漬けがよかったなーと思いながらグラタンを食べる鮫っちの図。
夜にグラタンか…胃がもったりしそうだ。
(注:映画にはこんな描写はありません)


原作2巻目。
ついに鮫っち登場しました。相変わらずかっこいいぜ。長身ってのがまたイイ。
壱岐より2、3歳年下だったのか!同い年だと思ってました。
ちなみに中の人は3歳年下なんですね。キャスティング絶妙すぎです。


…とりあえず、壱岐の小出君に対する仕打ちがなかなか酷いです。
危ない仕事は全部小出君にさせるくせに、おいしい部分は全部自分でもってっちゃってます。
小出君、フラストレーションが溜まる溜まる。
でも仕方ない。だって大本営ですから>え?


今日は映画との照らし合わせはしてません。
でもドラマ始まる前に完成させたいなあ。

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不毛地帯再読。

2009-05-22 00:42

不毛地帯がドラマ化される、ということで、現在原作を読み直しています。いま1巻の、壱岐が裁判に出たところ。秋津中将が自殺したり(←すごいネタバレなので、一応反転制にしておきます)

えーとですね。このあたりってのが映画では大幅にカットされておりまして、だからあんまり印象にないのでございます。だって…映画に秋津さん出てきたっけか?というか、終戦~ソ連抑留の場面がものすごく短かったわけで、原作読み直していて「あー、そういやホントはもっと(シベリア編は)長かったんだよなー…」と思ってます。


どうでもいいですが、梅津参謀長って何気にひどくないか?
梅津「壱岐君、関東軍に停戦しろって言ってきてね」
壱岐「それなら停戦命令書を持って行きたいんですけど。でなけりゃ言うこときかないと思うんです」
梅津「じゃあ自分で書いてね★」
(↑あくまで私の脳内フィルターを通した会話。本当はもっとマジメに会話してますが…)
そういうのがいい上官というか、上司になる素質があるって言われるのかしら。
「いいよいいよ、ボクが停戦命令書書いてあげるよ」ってのはいい上司っていうより、単なる「いい人」で終わってしまうってこと?やっぱり要領がよくないと出世が出来ないとか。





ところで。
不毛地帯で思い出すのが、某K大学模試を受けた日のこと。
現代文の問題で、ちょうど日本が降伏したときの特攻隊の話が出たのですよ。
戦争が終わったとはいえ、最後まで徹底抗戦するんだ!生きて俘虜の辱めを受けるくらいなら死んでやる!って言う特攻隊員と、もう戦いは終わったんだ、と諭す上官。
問題文を読みながら、「降伏するくらいなら」って言って部下とともに自決した壱岐の同期のことやら、停戦命令なんか知るかー!と壱岐に食って掛かる関東軍の人たちのことを思い出しまして。

当時から山崎作品が好きだった私。勿論映画まできちんと観ていた私。
「上官のこのときの心境を記述せよ」という問題で、そりゃもう細かく細か~く心境を語ったのです。壱岐やその部下たちと考えてることは同じだろう、と思ったらいくらでも言葉が湧いてくるっていうか。うん、山崎作品は描写がすごく細かいからね。

そして、見事にバツを食らいました。

記述問題なので、部分点はもらえたんですけども、本文にない裏事情まで分析・記述したおかげで、赤ペンで色んな場所に「不要」と線を引かれておりました。ぎゃふん。
まあ、現代文の記述問題なんて、文章を深読みしすぎるとキリがないってんで、そこまで細かく書かなくていいんだけどさ。そのときはさすがにショックでした。





まあ、そのくらい思い入れは強い作品だったってことです。でも、読み返すと結構忘れてる部分も多いので新鮮。
とりあえず、しばらくはやまとよ強化月間です。




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プロフィール

HN:
鴫野
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
映画鑑賞、読書、落書き
自己紹介:
白い巨塔の財前先生を追いかけ続ける学生。田宮二郎様ラヴ。そんなわけで、割と古い映画が好きです。時々落書きしています。カテキョのアルバイトをしています。

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